少し蒸し暑い日が続きますが
皆さま、いかがお過ごしですか。
僕は先日、コンテンポラリーダンスを観てきました。
山口佳子さんのソロ作品で『あまおと あしあと』という
この季節にピッタリのタイトルです。
ステージは奉還町の『やっち』というイベントスペースですが
出入口は路地に面する1カ所しか無いので
観客は出入口に向かって座り、ダンサーは路地から登場する。
という面白い始まり方でした。
山口さんが踊っている間、窓から見える通行人も
エキストラではないか?と思えるほど自然に馴染み
中で行われていることと
外で流れていることに繋がりはないはずなのに
なぜか人も、音も、明かりも一体になっていく
不思議で特別な時間を過ごすことができました。
公演の後、山口さんと少しお話させていただきました。
毎日この場所で練習しながら徐々に作品の輪郭を作られたこと。
あかりとおとは即興で岩本有加さんが合わせていたこと。
(これは驚きました!!それほどピッタリというか馴染んでましたので。)
とても興味深い制作過程でした。
山口さんのダンスは『自意識が出ていない』ように見えるので
押し付けられることなく自然体で鑑賞できるところが好きなのですが
そのような話をすると
山口さんも以前は『自意識の強い踊り』もされていたそうですが
徐々に今のようなスタイルの踊り方になってきたそうです。
踊りは、言葉で伝えるものではないので
伝わってくるものはおそらく
『ことば、以前の何か・・・』
言葉を伝えよう、言葉を聞いて理解しようとするより以前の
気配を感じる、思いを馳せる等の言葉にならない気持ちのやり取りを
大切にされているように受け取れました。
僕の仕事に当てはめてみると
きちんと言葉にして施主様にお伝えできる
説明的なデザイン、設計も大切ですが、
言葉にすればするほど
『こうあるべきだ』『こうでなくちゃいけない』という自意識が強くなり
当たり前から逸脱しない、以前からあるようなデザイン、設計になりがちです。
(もちろん、これを否定することはできませんが・・・)
そろそろ次の段階のデザイン、設計がしたいと思っていた時に
ちょうど良い機会であったのではないかと感じました。
感じること、受け取ることが『線』に現れているようなデザインがしてみたいとあらためて思っています。
(渡辺)
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