『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』

明けましておめでとうございます。

本日からフラワーチルドレンは通常営業です。

 

お正月に「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」という映画を観ました。

近代建築の巨匠と呼ばれるル・コルビュジエ。

僕もル・コルビュジエ著「建築をめざして」を読んだりいろんな建築の本でコルビュジエの建築作品や家具作品を見たりして少なからず影響を受けている一人です。

 

この映画の主人公はコルビュジエでは無く、同時代の女性建築家アイリーン・グレイです。彼女が作った「E.1027」という建物にコルビュジエは「芸術性を足す」といって落書きをしたり不当に住み続けていたり(長い間、E.1027はコルビュジエ作と勘違いされていたようです)、残念な姿で描かれています。

 

映画の中でのアイリーンのセリフが印象に残りました。

コルビュジエ含む同時代の建築家たちとのデザイン談義の中で、

『大切なのは形式(コルビュジエの近代建築の5原則)よりも住む人の生き方よ』

『使いやすさよりも、見た目にこだわり過ぎではないかしら』

映画を観ながらなので書き留めることはできなかったのですが、そんな意味合いの言葉は現代の外構デザインを仕事にしている僕にも響きます。

 

『住宅は住むための機械だ』と言うコルビュジエに

アイリーンは、『住むための機械では無い』と言い切ります。

 

現代もあらゆる世界、業界でみることができますが(笑)、男性達が自分たちの名声を上げるために仲間内で集まり画策しているのには交わらず、アイリーンが孤独に自分の中でデザインを高めていく潔い姿も気持ちの良いものです。

 

岡山ではシネマクレールで1月12日まで上映されていますので興味を持たれましたらご覧になってみてください。

 

今年も1年、よろしくお願いいたします。

 

渡辺